英国が生んだ世界的な人気を誇る革靴ブランド『ドクターマーチン』。多くのアーティストやミュージシャン、たちから愛されもはや個性を表現するための必須アイテムとなっているでしょう。
そんな『ドクターマーチン』ですが、長く愛用するためには、日々のメンテナンスが必要不可欠です。しっかりと手入れすることで、色褪せや劣化を防ぎ、より長く美しい状態を保てるんです。
今回は履いた後の超簡単なメンテナンスから定期的にしておきたい本格的な手入れ方法まで、『ドクターマーチン 』のメンテナンス方法を全て余すことなくお伝えしていきます。
ドクターマーチンファンのあなたへ|メンテナンスで靴はもっと長持ち
この記事では、初心者でも安心して『ドクターマーチン』のお手入れができるようにその方法を完全解説!
手軽にできるケアから本格的なメンテナンスのコツまで、すべて紹介します。
メンテナンスは面倒と思うかもしれませんが、やり方を覚えてしまえば意外と簡単!そして手入れをして育てた『ドクターマーチン』には、きっともっと愛着を持てるようになりますよ。
さあ、『ドクターマーチン』の手入れを学んで、もっと『ドクターマーチン 』を楽しんでみませんか?
ドクターマーチンの手入れをするメリット
さて、ここでモチベーションを上げるために『ドクターマーチン』のメンテナンスのメリットを考えてみたいと思います。
革靴のメンテナンスには靴にとってだけでなく、靴を履く私たち人間にもいろいろな恩恵があります。
メンテナンスで革靴が長く愛用できる
『ドクターマーチン』の手入れをしないと革が乾燥してひび割れたり、表面の色がくすんでしまうことがあります。人が栄養を摂取しないと肌のターンオーバーが進まないように、革もまた栄養を摂取しないと適切な状態を維持できません。
定期的なケアで革にとっての栄養である油分や水分を補給することで美しい状態を維持することができるのです。また、手入れをしながら履き込むことで『ドクターマーチン 』はあなたの足の形や歩き方に合わせて最適な形に育っていきます。
アッパーが伸び、インソールの下に引かれたコルクが沈みあなただけの一足になっていきます。これを楽しむのが革靴の醍醐味です。
手入れすることで引き出せるドクターマーチンの魅力
手入れをすることで革は柔らかくなり、履き心地も良くなります。新品では革の硬さが気になる人も多いかもしれませんが、日々のケアで徐々に柔らかくなり、自分の足に合った最高の履き心地に変わっていきます。
手入れをすることで革のツヤも増し、独特のエイジングを楽しむことができるのも、ドクターマーチンの大きな魅力です。『ドクターマーチン 』によく使われるガラスレザーに近い性質のレザーはあまりエイジングが楽しめないという意見も耳にします。しかし、筆者はそうは思いません。ガラスレザーもメンテナンスを続けると光沢が深くなり、新品時とは全く違う表情になります。
新品の時に写真を撮っておくといいです。1年、2年と履いた時に見返すと経年変化が見えてとても楽しいです。
ドクターマーチンの最もシンプルで大切なメンテナンス方法
では本題です。『ドクターマーチン』のメンテナンス方法について詳しく解説していきます。
まず紹介するのは最もシンプルかつ簡単でありながら、革靴にとって最も大切なメンテナンス方法です。
上の記事ではより詳しくこのメンテナンス方法について解説しているので、参考にしてみてください。
履いた後にしたい、簡単なメンテナンス
『ドクターマーチン』を履いた後にしたいケアがブラッシングです。ブラッシングとはその名前の通り、馬の毛などで作られたブラシを使って靴のホコリを落とすことです。
このケアは非常に大切で、革の光沢を引き出し栄養を守る働きがあります。
「光沢はわかるけど、なぜブラッシングで栄養が守れるの?」と思う人もいるかもしれません。理由はこうです。
革の栄養は水分と油分です。自然に蒸発して革の栄養分は減っていきますが、革の表面にホコリがついているとホコリが栄養を革から横取りしてしまいます。結果、ホコリが付いた革の栄養は早くなくなってしまうんです。
これを防ぐのに最も効果があるのがブラッシング。『ドクターマーチン』を履いた後に毎回ブラッシングをするように癖をつけておくと、とても綺麗に履き続けることができます。
着用後の簡単メンテナンスのコツ
もし、ブラッシングをしても取りきれない汚れがある場合には、レザー用の汚れ落としを使いましょう。特におすすめなのがツヤ出しや保革(革に栄養を与える効果)のある汚れ落としです。
こういった効果のある汚れ落としローションは洗浄力自体は弱いですがその分革にやさしい成分で出来ていることが多いです。保革を行うことで後述する“靴クリーム”を使った本格的なメンテナンスの頻度を下げることもできます。『ドクターマーチン』のことを考えても、手間を考えてもお得な汚れ落としの方法です。
履いた後にしたいメンテナンスについて、おすすめのアイテムをまとめておきます。
必要な道具とおすすめのケア用品
紹介したメンテナンスですが、必要なのは主に2つのアイテムです。
ひとつは靴ブラシ。これは1,000円前後のもので十分です。玄関で使うなら筆者一押しは無印商品の持ち手の付いたブラシです。値段が1,000円以下で玄関で靴を履いたままブラッシングできてしまいます。
次に汚れ落としのローションです。筆者はサフィールから発売されているローションを無くなる度に購入しています。紹介した通り汚れお落としとツヤ出し・保革の効果があるので非常に重宝します。
レザーローションは靴以外のアイテムにも使用できます。また、拭き取るときに使う布は着なくなったTシャツなどを切って使っても十分です。こだわりたい人はフランネル生地などを購入して使うといいでしょう。
ドクターマーチンの定期的なメンテナンス方法
次に紹介するのは定期的に行う本格的な『ドクターマーチン』のメンテナンスです。
履いた後にブラッシングを行っていたとしても徐々に革から栄養が減っていきます。すると革の柔軟さと輝きが失われてしまいます。
これから紹介するメンテナンスは3ヵ月に1回程度の頻度で行うように心がけてください。
定期的に行いたいお手入れの流れ
このメンテナンスは工程が長いので、まずは簡単にそれぞれの工程を解説しておきましょう。
第一段階は汚れ落としです。この工程で靴の汚れや古い靴クリームを取り除き靴を素の状態にします。
第二段階は保革です。靴に栄養を入れて革の光沢と柔軟性を取り戻します。
第三段階が拭き上げです。余分な靴クリームを吹き上げてピカピカに磨きます。
要は化粧と一緒です。クレンジングで汚れを落とし、保湿をしてから化粧品を使うイメージです。人間の肌と変わりません。
具体的な定期的なメンテナンスの方法
では、具体的なメンテナンスの方法をご紹介していきましょう。写真を使いながらできるだけ初心者にもわかりやすく解説していきます。
また、使用する道具も多いので、道具の紹介も間に挟んでお話しします。
第一段階:アッパーの汚れ落とし
まずはアッパーの汚れを落としていきます。使用するのは靴ブラシです。「履いた後のメンテナンス」で紹介したのと同様に靴全体を磨いてホコリを落としていきます。
靴紐のあるモデルの場合には、靴紐をとってブラッシングするとさらに綺麗にすることができます。
次に汚れ落としのレザーローションを使って、ブラッシングで落としきれなかった頑固な汚れ落とします。これでクリームを使う準備が完了しました。第一段階“”アッパーの汚れ落としの終了です。
第二段階:レザーの保革
次に、レザーに栄養を入れていきます。まずはアッパーではなくライニング(靴の内側部分)にクリームを塗っていきます。実は『ドクターマーチン』のライニングの一部はレザーでできています。この部分にも栄養を入れることで革の柔軟性と強度を維持することができます。
使用しているのはブートブラックの「デリケートクリーム」です。靴クリームより水分の量が多いものをそう呼びます。
デリケートクリームを手に取り、ライニングに塗っていきます。よく伸びるので、少量を手にとって伸ばしていきます。ライニングに塗り終わったら、アッパーにもデリケートクリームを塗っていきます。
アッパーにもデリケートクリームを少量とり、伸ばしながら塗っていきます。ライニングも同様ですが、この時は手で塗ってしまって問題ありません。無色透明なので手に色がつくこともありません。
デリケートクリームは主に革に水分を、靴クリリームは主に革に油分を補給します。
デリケートクリームをアッパー全体に塗ったら、布を使って軽く磨き余分なクリームを拭き取ります。
次に使うのは靴クリームです。今回はコスパのいいサフィールの靴クリームを使いました。これを靴のアッパーに塗っていきます。保革とツヤ出し、ちょっとした傷やスレを目立たなくする効果があります。
靴クリームの多くは色がついています。自分の『ドクターマーチン』のカラーに合った色のクリームを選びましょう。
靴クリームはペネトレイトブラシというブラシで塗ります。そうしないと細部まで塗れず、なのに自分の手が汚れてしまいます。
アッパー全体にペネトレイトブラシで塗り広げます。この時クリームの量に注意します。クリームが多いとかえって光沢が出ません。少量を塗り広げ、足りなくなったら追加するくらいのイメージで構いません。
続いて、靴ブラシで磨き靴クリームをレザーに浸透させていきます。この時に使うのは汚れ落としで使ったのとは別の靴ブラシ(豚毛のもの)です。豚毛の毛足が短いブラシを使うと効率的にクリームを浸透させることができるのでおすすめです。
第三段階:拭き上げ
布を使って余分なクリームを取り除きます。布は着なくなったTシャツなどで十分です。靴全体を満遍なく拭いていきます。
レザーローションの時にも書きましたが、布にこだわりたい場合にはフランネル生地がおすすめ。鏡面磨きというテクニックにも使えます。
以上で『ドクターマーチン』の定期的に行いたいメンテナンスは完了です。靴紐を戻して履くことができます。
慣れればここまで30分もかからず終えることができると思います。
今回紹介した靴クリーム以外にもたくさんの種類の靴クリームがあります。靴クリームは好みのよっておすすめが異なります。上の記事では靴クリームについて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
新しく購入したドクターマーチンのプレメンテナンス方法
次に紹介するのは、1足の『ドクターマーチン』につき1回しか必要ないメンテナンスです。
それが“プレメンテナンス”。購入後履く前にしておくと良いメンテナンスです。
買った直後に行うべきメンテナンスとは?
プレメンテナンスとはいっても特殊な工程はありません。
工程は「定期的に行いたいメンテナンス」の“第一段階”と同様です。
工程はたったこれだけ。しかし、履いたとにプレメンテナンスをしておくことで安心して履き込むことができるようになります。それがなぜか、解説しましょう。
より詳しいプレメンテナンスの方法は上の記事で解説しています。
最初にプレメンテナンスをすることが重要な理由
初めて『ドクターマーチン』を履く際、保湿をすること革に柔軟性が生まれ履き心地が柔らかくなり若干ですが履きやすくなります。また、そもそも新品の『ドクターマーチン』だからといって、製造後すぐに私たちの手元に届くわけではありません。
実際には製造後に検品や輸送、保管などを経ているのでどれくらいの時間が経っているのか私たちにはわかりません。その間に『ドクターマーチン』の栄養が不足している可能性もあるのです。
栄養不足によるひび割れなどのトラブルを防ぎ、気持ちの良い履き心地を楽しむためにプレメンテナンスは重要なんです。
少なくともやらないよりやった方がいいメンテナンスです。やらないで後悔するのが一番悲しいです。
ドクターマーチンの色や革ごとのメンテナンスのポイント
次に、『ドクターマーチン』のカラーや素材ごとのメンテナンスのポイントを解説します。
『ドクターマーチン』には定番のブラックやチェリーレッドなど様々なカラーがあります。また、素材もいろいろです。
カラーや素材に合ったメンテナンスが非常に重要になります。
ブラックとチェリーレッドのケアの違い
『ドクターマーチン』の中でも、ブラックとチェリーレッドは定番の色。基本的なメンテナンスは一緒ですが、注意すべき点もあります。
まずひとつ目に靴クリームの色です。チェリーレッドの場合には無色(ニュートラル)かチェリーレッドに近い色のクリームを選びましょう(この他のカラーの場合も、合う色のクリームを選びましょう)。
次に靴のブラシです。ペネトレイトブラシやクリームを浸透させるブラシは靴の色ごとに分けて持っておくようにしましょう。理由は色がまざってしまうからです。黒い靴にブラッシングをした後に他の色の靴をブラッシングすると色が写ってしまいます。こういったトラブルを避けるためにブラシは色ごとに分けて用意するのが基本です。
スムースレザーとスエードレザーの手入れの違い
『ドクターマーチン』のレザーの多くはスムースレザーが使われています。今回のメンテナンス方法もスムースレザーの『ドクターマーチン』を主な対象にしています。しかし、中にはスエードやヌバックのような起毛した革を使った『ドクターマーチン』もラインアップに存在します。
起毛したレザーの場合、ブラッシングで使うブラシが特殊なものになります。また、栄養も靴クリームではなく栄養を含むミストやスプレーで与えるのが一般的です。
スムースレザーとは手入れ方法が異なるので注意しましょう。
ドクターマーチンのメンテナンスを定期的に行うことで得られる価値
今回は様々な『ドクターマーチン』のメンテナンス方法について解説を行いました。
大変な部分も多いメンテナンスですが、メンテナンスを行うことで得られる価値もあると筆者は思います。
ドクターマーチンのメンテナンスが面白いところ
革靴のメンテナンスは実際にやってみないとわからないことが多いです。汚れていたり、光沢感が失われた靴がだんだんと自分の手でピカピカに蘇っていくのはスニーカーでは味わえない感覚です。
また、『ドクターマーチン』は革靴初心者に対して入門用としておすすめされることも多いブランドです。それだけメンテナンスが簡単ということではありますが、『ドクターマーチン』に慣れてから他のブランドの革靴を購入してメンテナンスすることで違いがわかり、段々と靴のメンテナンスにハマっていきます。実際筆者もその一人です。
ここまでこの記事を読んでくれたあなたなら、きっと靴磨きを楽しめると思いますよ。
長期間履き続けるためのコツ
『ドクターマーチン』は、丁寧に手入れをすることで5年、10年と履き続けることができる靴です。
最も大切なのは最初のメンテナンス方法で紹介した、“履いた後のブラッシング”です。塵も積もれば山となるとはよくいったもので、毎回のブラッシングが美しさを保つ最大のコツです。
しっかりとした手入れを行えば、あなたの足元で歴史を重ね、あなただけの味わい深い一足に育っていきます。
メンテナンスを通じてさらに愛着を深める方法
日々のメンテナンスを通して、『ドクターマーチン』への愛着がさらに増していきます。手入れをしながら育てる喜びを感じ、唯一無二の一足に仕上げることで、ファッションの楽しみもきっと広がっていくと思います。
自分だけの一足に育った『ドクターマーチン』は他の『ドクターマーチン』とはまるで別物です。
まとめ:ドクターマーチンのメンテナンス完全ガイド|初心者でもできるお手入れ方
今回は色々な角度で『ドクターマーチン』のメンテナンス方法について解説をしてきました。
繰り返しになりますが、『ドクターマーチン』を長く大切に履き続けるためには、日々のメンテナンスが欠かせません。靴のケアを通じて、ただ履くだけでは味わえない愛着が湧き靴と共にかけがえのない時間を過ごすことができます。
『ドクターマーチン』を購入したら、ぜひこの記事を参考にして手入れを始めてみてください。既に『ドクターマーチン』をお持ちの方はぜひ、メンテナンスの一例として参考にされてみてください。
あなたのドクターマーチンライフが、豊かなものになるよう祈っています。
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