今回はドクターマーチンの鏡面磨きについて解説していきます。皆さんは鏡面磨きを知っていますか?

革靴をワックスで磨いて、鏡面のようにピカピカにすることを鏡面磨きといいます。 一見すると難しそうですが、道具を用意して正しい手順を踏めば、初心者でも鏡面磨きを楽しむことができるんです。

さぁ、君も鏡面磨きをしてみないか?
- ドクターマーチンの鏡面磨きに必要な道具
- 鏡面磨きの具体的な方法
- 鏡面磨きに関するQ&A…etc
ドクターマーチンに鏡面磨きをしてみよう

“鏡面磨き”というと、ビジネスシューズや高級紳士靴に多く施されている印象があるかもしれません。
しかし、基本的には本革の革靴であればどんな靴でも鏡面磨きは可能です。
履き慣れてマンネリしているドクターマーチンも、鏡面磨きで雰囲気が変われば新しい気持ちで履くことができるようになるでしょう。

新しいドクターマーチンを買わなくても、なんだか新鮮な気持ちで履けるようになるはずです!
鏡面磨きをするとドクターマーチンはどうなる?

鏡面磨きの具体的な方法に入る前に、鏡面磨きでドクターマーチンがどうなるのか簡単に解説をしていきます。
ドクターマーチンの光沢感が増す

まず、鏡面磨きでドクターマーチンの光沢感が増します。
鏡面磨きというのは、簡単にいえばワックスが革の表面にある微細な凹凸を埋め、その表面を覆うことでまるで鏡の表面のように見えるようになります。
ドクターマーチンのレザーは元々光沢感が強いものですが、鏡面磨きを行うことでさらに光沢感が増します。

また、鏡面磨きはどの部分に行うか自分で決めることもできるため、その範囲も鏡面の強弱もコントロール可能です。
鏡面部分は傷が付きにくくなる

表面がワックスが作る層だということは先ほど解説した通りです。 つまり、レザーの上に層が乗った状態にあるわけで、ある程度であればドクターマーチンを傷から守ってくれます。
あくまである程度の傷の身代わりになってくれるというだけで、剥がれた鏡面磨きはメンテナンスが必要なのでご注意ください。

逆に小傷であれば表面磨きで隠すことも可能です。
ドクターマーチンの鏡面磨きに必要なもの

ではいよいよ鏡面磨きについてお話していきましょう。まずは鏡面磨きに必要なアイテムです。 鏡面磨きに必須のアイテムと、あると便利なアイテムがあるので分けてお話していきます。 おすすめの購入リンクも貼っておくので是非ご検討ください。
鏡面磨きに必須のアイテム

まず、鏡面磨きに必要なアイテムは革靴用のワックスです。これを使って表面を作っていきます。
またワックスを塗るための布も必要です。特におすすめなのがフランネル生地です。靴磨き用のものも販売されていますが、裁縫屋さんなどで生地を買ってきて自分でカットするのもおすすめです。
また、鏡面磨きの中では水を使用するので、水を入れておける汚れてもいいような容器があるといいでしょう。
- シューワックス
- 布(フランネル生地がおすすめ)
- 水を入れる容器
鏡面磨きにあると便利なツール

鏡面磨きにあると便利なのがシューツリーです。
シューツリーとは、革靴を履いていない時に靴の中に入れておいて、靴の形を整えるためのアイテム。一般に吸湿性の高いレッドシダーなどが使われるため、履いた後に入れておくことで靴の中に残ってしまった水分を除湿してくれる機能もあります。

シューツリーを靴の中に入れておくと形が安定するため、鏡面磨きがしやすくなります。 革靴のメンテナンスをする時に入れておくと、持ち手の役割をすることも。革靴が好きであれば、1つくらいは持っていて損はないアイテムです。

上の記事で紹介している靴磨きに必要なアイテムは用意しておいた方がいいです。
ドクターマーチンの鏡面磨き|手順解説

鏡面磨きに必要なアイテムを紹介したところで、実際にドクターマーチンの鏡面磨きの手順について話していきます。
下準備(汚れ落とし・コンディショニング)

まずはドクターマーチンの汚れを落としていきます。
鏡面とはドクターマーチンの革の上に層を作ることなので、汚れなどが残ったままだとその上に層を作ることになってしまいます。

これだとうまく鏡面が作れないことも。
なのでまずはブラッシングでホコリなどを落とし、その後にリムーバーを使って頑固な汚れを落としていきます。


リムーバーは鏡面磨きを落とす時にも使います。
靴クリームの塗り方のコツ

ドクターマーチンが綺麗になったら靴クリームを塗っておきます。
最近靴クリームを塗ったのであれば、この工程は飛ばしてしまっても構いません。

しばらくメンテナンスを行っていないのであれば、クリームを使って普通に栄養を与えた後に表面磨きを行うのが理想的です。 これで鏡面磨きの準備は全て完了しました。実際に表面磨きを行っていきましょう。
ワックスを薄く塗っていく

まずはワックスを手に取り、少しずつドクターマーチンのトゥに塗っていきます。

ドクターマーチンに塗る時には左右交互に塗り、少し休ませるようにします。またこの時、トゥの先の方のワックスを濃く、後ろに行くに従ってだんだんと薄くなるようにしていきます。そうすることによってグラデーションが生まれます。

トゥだけにワックスを塗っても構いませんが、サイドやかかとの部分にもワックスを塗っても構いません。 ポイントとしては、履きじわが入る部分にはあまり塗らないようにしてください。

靴の革が曲がったりすることによって鏡面が剥げてしまうからです。

ある程度ワックスが乗ってきたら、手にフランネル生地を巻き付けてワックスを塗っていきます。
まずは手に巻き付けたフランネル生地に水分を付けます。靴に触れる部分にまんべんなく少し湿っている程度の水分があれば十分です。
あとは布でワックスを取り、左のドクターマーチンにワックスを塗って、その後右のドクターマーチンにワックスを塗って、そしてまた左のドクターマーチンにワックスを塗って…この工程を何度も繰り返していきます。


この状態ではまだ靴は曇っていて大丈夫。仕上げ磨きで曇りが取れていきます!
仕上げ磨きで光沢を最大限に引き出す

最後に仕上げ磨きです。フランネル生地の面を変えて水を少量つけ、少しだけワックスをつけたら、素早くくるくると円を描くようにして磨いてきます。これも左右交互に行うようにします。
成分が足りなくなってきたなと感じたら少量だけつけ、左右交互に磨く。これを繰り返していきます。

すると次第に曇りが消え、鏡面が現れてきます!

そして鏡面磨きが済んだドクターマーチンがこちらです。最初に比べるとトゥ部分に光沢が出ました。

また、側面にもワックスを塗ってあるので陰影が出たと思います。
鏡面磨きでよくある失敗と解決法

ここでは鏡面磨きでよくある失敗についてお話していきます。

鏡面磨きあるあるです!少しでも失敗を無くしたい!
ムラになる原因と対処法
鏡面がムラになる原因ですが、主にワックスの量が多すぎたり、水分の量が少なすぎたり多すぎたりすることが原因です。
ムラになってしまった場合には、リムーバーを使って一旦表面をある程度取り、その後にもう一度鏡面磨きを施すようにします。
ワックスが白く浮き上がってしまった場合も基本的には同様です。

熱を加える方法もありますが難しいので、一度ワックスを取り除いてから再度鏡面磨きをするのがいいでしょう。
鏡面がひび割れてしまったら
鏡面磨きを施した後しばらく履いていると、鏡面がひび割れてしまうことがあります。 これは革の動きであったり、ぶつけてしまったりすることでよく起こります。
この場合にも一度鏡面をリムーバーで落としてしまってから再度鏡面を施すこともできますが、靴クリームを使って鏡面を含む革に栄養を与えた後にもう一度鏡面磨きを施せばひび割れが目立たなくなることがあります。
革靴用のワックスは油性であり、革靴用のクリームもまた油性です。油は油に溶けるわけで、ワックスの上に革靴用のクリームを塗ることでワックスがわずかに溶けてひび割れが目立たなくなります。

その上で軽くワックスを塗ってやれば、ひび割れが埋まることによって鏡面が復活するというわけです。
鏡面状態を長持ちさせるお手入れ方法

一度鏡面磨きを施したからと言って、ずっと鏡面が続くわけではありません。時間が経つと少しずつ鏡面は曇っていってしまいます。
そんな時には、山羊毛ブラシなど毛の細く柔らかいブラシでブラッシングをすることで鏡面を戻すことができます。
しかし山羊毛のブラシは高額です。 筆者がおすすめなのは手を使う方法。手のひらを表面に当ててこすってやると、なんと鏡面が復活します。ただし少しだけ手が汚れてしまいます。
もう一つ方法があり、それは道具を使いますが、フランネル生地に少量の水を含ませ、それに少量のシューワックスをとってもう一度磨いてやる方法です。一度鏡面を作った革はすでに凹凸が少なくなっています。その上にワックスを塗ってやることで簡単に鏡面が復活します。

鏡面が曇ってきたなと感じたら是非試してみてくださいね。
ドクターマーチン鏡面磨きのQ&A

ドクターマーチンの鏡面磨きについてよくある疑問に答えていきたいと思います。

鏡面磨きでこんな疑問を抱えていませんか?
鏡面磨きに最適なワックスは?

鏡面磨きに最適なワックスですが、こればっかりは好みがあるので、色々なワックスを実際に使ってみて欲しいと思います。
ワックスの値段は1,000円前後なので気軽に買いやすいと思います。 ただし、靴の色に合うワックスがあればそのワックスを選ぶのが最も無難です。

筆者の場合には、黒い靴には黒のワックスを、チェリーレッドのドクターマーチンにはちょうどいいものが見つからなかったので無色のワックスを使っています。
鏡面磨きを除去する方法

鏡面磨きを取り除きたい場合には、革の汚れを落とすリムーバーなどを使って除去するようにしましょう。
表面磨きは皮を保護する意味合いもありますが、ずっと鏡面のままにしておくのは革に栄養が届かずあまり良くないそうです。筆者の場合には、靴に栄養を入れる時にリムーバーで鏡面を落とすようにしています。

経験上、あまり神経質になる必要はないと思いますが、定期的に表面を落として革に栄養を入れてあげることで、ドクターマーチンを良い状態のまま履き続けることができるでしょう。
まとめ:初心者でもできる!ドクターマーチンの鏡面磨き完全ガイド

今回はドクターマーチンの鏡面磨きの方法について紹介してきました。
鏡面磨きは決して難しいものではなく、道具があって手順さえ守れば誰でも楽しむことができます。ただし、まるで鏡のような本当に美しい鏡面を作るには相当な技術がいります。

筆者もこうしてブログを更新しておきながら日々鏡面磨きの練習中です。
とはいえ、それでも鏡面磨きをすることでドクターマーチンの雰囲気を変えて楽しむことができるので、少しでもドクターマーチンに飽きてきたなと思われた方は是非鏡面磨きを試してみて欲しいと思います。
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