【実際に使って検証】ドクターマーチンのおすすめ靴クリームはどれか

履く・メンテナンス

今回のメインテーマは「ドクターマーチンにおすすめの靴クリーム」です。

「エム・モゥブレイ」に「サフィール」、「ブートブラック」などいろいろと種類がある革靴用のクリーム。『ドクターマーチン』におすすめの靴クリームは一体どれでしょう?

筆者自身もなんとなくの感覚で使い分けていたので、今回は『ドクターマーチン』にそれぞれのクリームを塗ってその違いを実際に検証してみました。

あかパンダ
あかパンダ

メンテナンス初心者の方や、どの靴クリームを選ぼうか悩んでいる方。ぜひ参考にしてみてください。一緒に違いを見ていきましょう。

ドクターマーチンにメンテナンスに欠かせない靴クリーム

『ドクターマーチン』に限った話ではありませんが、革靴のメンテナンスには靴クリームが大切です。

革靴について少しでも心得がある人であれば、定期的に靴磨きで靴クリームを使っていることでしょう。靴クリームというのは不思議なもので、ひとつ買うと「もうひとつ、もうひとつ・・・」とどんどん増えていきます。1,000円を少し超えるくらいのお手頃な値段なのも手伝って、ついつい他の靴クリームに浮気をして増えていきます。

結果、みなさん、どの靴クリームをどの革靴に使うか、“なんとなく”で決めていませんか。

そこで今回は4つの靴クリームを4足の黒の『ドクターマーチン』に使って、その違いを見ていきます。

あかパンダ
あかパンダ

メンテナンス初心者も、ドクターマーチン玄人もぜひ違いをご覧ください。

靴クリームの効果について

まずは初歩的な部分の解説です。靴クリームの効果について解説します。

革靴に靴クリームを塗る意味はなんなのか、どんな効果があるのか。また、その効果がなぜ出るのかお話ししていきます。

あかパンダ
あかパンダ

なぜクリームを塗ると革に光沢が出たり、柔らかくなるのか、知らない人は多いのではないでしょうか。

革に栄養を補給して、革を柔らかくする

革の栄養は水分と油分です。『ドクターマーチン』のアッパーも元々は動物の皮です。それをいろいろな処理で鞣(なめ)すことで“革”となります。

生きている動物の皮膚の場合には、身体から栄養となる水分や油分が供給されます。しかし、革となるとその供給源がありません。よって、鞣された革は時間が経つとだんだんと乾燥して硬くなります。

ここで靴クリームの登場です。靴クリームには水分や油分が含まれており、これを靴に浸透させることで革の繊維と繊維の間の潤滑作用をもたらし柔らかさを取り戻すことができるのです。

靴クリームの効果1

革の栄養である水分・油分を補給し革に適度な柔らかさを与える。

革に光沢を与える・色の補色をする

また、靴クリームを塗ることで革に光沢を与えたり、ちょっとした補色をしたりすることもできます。

これには靴クリームに含まれる成分が革の表面をコートするため起こる現象です。靴クリームには蜜ろうやカルナバろうなどが含まれており、これが革の表面を滑らかにします。また、無色のクリームも存在しますが、色付きのものは靴クリームの中に染料が含まれています。靴クリームの成分が革の表面をコーティングし、補色を行うことで靴がよりきれいに美しく見えるというカラクリです。

靴クリームの効果2

革の表面をコーティングし光沢が出る。染料が含まれているものの場合には、染料が作用し靴の色を補色する。

あかパンダ
あかパンダ

よく勘違いされますが、カラークリームにそこまで強い補色の力はありません。下地が見える大きな傷にはアドカラーなど“染色”できるアイテムを用いるべきです。

ドクターマーチンにおすすめの靴クリームについて検証

今回の本題です。『ドクターマーチン』にいろいろな靴クリームを使ってみてその結果を比較してみました。

今回被検体となったのは全て黒の『ドクターマーチン』です。以下に詳しく用意した『ドクターマーチン』の状況を書いておきました。

今回の検証の条件
  • 用意したドクターマーチンは全て“ブラック”
  • 素材は6ホール以外全て“スムースレザー”
  • ブラッシングと汚れ落としを行った後に靴クリームを使う
あかパンダ
あかパンダ

6ホールはイングランドモデルなので素材が茶芯です。金銭的に上記の条件でご勘弁ください。お願いします。

また、使用したクリームは以下の通りです。

検証で使用した靴クリーム
  • ドクターマーチン純正:ワンダーバルサム
  • サフィール:ビーズワックスファインクリーム(ブラック)
  • サフィール ノワール:クレム1925(ブラック)
  • ブートブラック:SHOE CREAM(ニュートラル)

「ワンダーバルサム」は『ドクターマーチン』の純正クリーム。サフィールの2つのクリームはどちらも黒の靴クリームですが値段が違います。「クレム1925」はただのサフィールより2倍以上高い高級クリームです。

また、「ブートブラック」のクリームは無色のクリームを検証するために使用してみました。

あかパンダ
あかパンダ

以上の条件、クリームを使って検証をしていきます。

ドクターマーチン純正の靴クリーム“ワンダーバルサム”

『ドクターマーチン』の純正クリーム、ワンダーバルサムを使っていきます。このクリームの特徴はこの缶の中にクリームを塗るためのスポンジが入っていること。クリームを拭き取る布があればそれだけで簡単にメンテナンスができてしまいます。

メンテナンスで使うもの
  • ワンダーバルサム

こちらがクリームを塗った後の状態。ツヤはしっかりと出ました。ただし、色付きのカラークリームのような深い艶ではなく表面が光っているいるような若干浅い光沢感です

あかパンダ
あかパンダ

「ワンダーバルサム」については上の記事で詳しく解説しています!

1,000円前後では最も使いやすいサフィールの靴クリーム

サフィールの「ビーズワックスファインクリーム」はカラークリームです。一般的な靴クリームと同様に綺麗にした革靴の表面にペネトレイトブラシを使って塗っていきます。その後ブラッシングでクリーム刷り込み、布で拭き上げてメンテナンス完了です。

メンテナンスで使うもの
  • サフィール:ビーズワックスファインクリーム
  • ペネトレイトブラシ
  • 靴ブラシ

結果的にはよくツヤが出ました。表面的なツヤというよりは少し深いところから出ているツヤで持続しそうなツヤです。サフィールの靴クリームは塗った時に伸びが良いイメージ。初心者にも使いやすく、コスパにも優れた靴クリームだと思います。

サフィールの超高級靴クリーム“クレム1925”

同じくサフィールより高級靴クリーム「クレム1925」です。使い方は先ほどの同じ。通常の靴クリームの塗り方と一緒です。こうやってみると純正クリームの「ワンダーバルサム」の使い勝手の良さがすごいですね。

メンテナンスで使うもの
  • サフィール:ビーズワックスファインクリーム
  • ペネトレイトブラシ
  • 靴ブラシ

結果的にバチクソツヤが出ました。悔やまれるのは革の種類がスムースレザーではないこと。元々スムースレザーよりも光沢感はないレザーなのですが、一番ツヤが出ました。値段が高いだけはあります。

“ブートブラック”の無色クリーム

続いては「ブートブラック」のクリームです。ニュートラル(無色)の靴クリームです。これも使い方は一緒でペネトレイトブラシで塗り、ブラッシング、布で拭き取ります。

メンテナンスで使うもの
  • サフィール:ビーズワックスファインクリーム
  • ペネトレイトブラシ
  • 靴ブラシ

結果はこれ。印象としてはドクターマーチンの「ワンダーバルサム」に近い仕上がりで表面的なツヤに見えます。せっかく靴クリームを手間をかけて塗るのであればちょっと物足りない気がしました。

【靴クリーム別】このクリームはこんな人におすすめ

今回靴クリームを『ドクターマーチン』に使用してみて思ったのは、意外と使い勝手が異なるということです。

靴クリームを塗った後の質感や光沢感も異なりますが、靴クリームを塗るための手間・クリームを使った時の伸びなども個々で異なったのが印象的でした。

あかパンダ
あかパンダ

ひとつずつ連続して使用してわかったのは、「これが最も良い靴クリームだ」というものはないということです。

光沢感をどこまで求めるのか、また、手間をどこまで許容できるのかで靴クリームごとにおすすめできる人が異なるように感じました。

めんどくさがりやなら「ワンダーバルサム」が一番おすすめ

『ドクターマーチン』のメンテナンスをさっさと終わらせたいなら「ワンダーバルサム」がおすすめです。

理由は簡単で、「ワンダーバルサム」さえ用意すれば他に必要なのは吹き上げに使う布くらいだからです。さらにクリームに色が付いていないのでステッチを汚す可能性もありません。

光沢感もまずまずなので、メンテナンス初心者やめんどくさがりやには非常におすすめです。

メンテナンスに興味があるならサフィールの靴クリーム

「サフィール」の靴クリームは準備物こそありますが、伸びが良くメンテナンスしやすかったです。値段も安くて艶も出るのでこれから靴磨きを始めとしたメンテナンスをやってみたいという人にはいい選択肢だと思います。

ただし、イエローステッチにはクリームが付かないように注意が必要です。

汎用性が高い無色のクリームはイエローステッチを汚さない

「ブートブラック」の無色のクリームはステッチに色がつくことがないので思い切り塗り広げることができました。その点は良かったのですが、他の2つの黒のクリームに比べるとなんだか黒にギラつきがない印象です。

栄養の補給はできているのでいいと思いますが、それなら手間が少ない「ワンダーバルサム」の方が良かったなと思いました。

いろいろな靴に使える汎用性はありますが、その分カラークリームには仕上がりで負ける印象です。

クレム1925は革靴ジャンキー向け

「クレム1925」はとにかく伸びが良くて磨き始めてすぐに光沢が出て嬉しくなります。使いやすいクリームなのでおすすめですが、値段が値段なので革靴ジャンキーにしかおすすめしません。

サフィールの靴クリームと比べて値段が2倍なので2倍ツヤが出るかというと無論そんなこともありません。黒の靴クリームなら普通のものでいいと思います。

あかパンダ
あかパンダ

このクリームはジャンキー向け、いいね?

ドクターマーチンの素材別に靴クリームを使い分けよう

また、これは提案ですが、『ドクターマーチン』の素材によって靴クリームを使い分けた方が良いと思います。

以下は一例です。他のパターンもあるかもしれません。

チェリーレッドなどのカラーモデルに使いたい靴クリーム

例えばチェリーレッドの『ドクターマーチン』の場合にはチェリーレッドの靴クリームを選ぶと最も光沢がでます。

筆者の場合には「ブートブラック」の靴クリームが最も合うと思っているのでこれを愛用しています。しかし、このクリームはめちゃくちゃツヤが出るので、好みは別れると思います。

それなりの艶でいい場合にはむしろ無色の靴クリームの方が良いでしょう。

イングランドモデルに使いたい靴クリーム

『ドクターマーチン』のイングランドモデルは俗に“茶芯”と呼ばれるレザーが使われています。

茶芯とはどんなレザーか

茶芯とは、レザーの内側が茶色のままであり表面が染色されているレザーのこと。履き込んだことによるスレや傷で内側の茶色の部分が露出し、独特の経年変化を楽しめる素材。

履き込んで出た茶色の部分を活かすために無色のクリームを使うか、それともカラークリームを使って目立たなくするかはその人の好み次第です。

こういった特殊なレザー『ドクターマーチン』はどう育てたいかによって靴クリームを考える必要があります。

あかパンダ
あかパンダ

この靴をどう育てるか方針を考えている時が非常に楽しいです。靴クリームは非常に重要な役割を持っています。

「ドクターマーチンのメンテナンスは不要」に対する反論

『ドクターマーチン』の多くのモデルに採用されている素材が「スムースレザー」という種類のレザーです。このレザーはガラスレザーに近いレザーのようで、表面をコーティングされているレザーです。

表面をコーティングされているので強い光沢が持続し、その一方クリームなどが浸透しにくいので靴クリームを塗っても無駄だという意見の方がみられます。

私も最初はそう思っていたのですが、靴クリームでメンテナンスをしていると明らかに『ドクターマーチン』が美しくなります。また、履きこむことで履きジワができますが、その部分には間違いなくクリームも浸透します。

履きジワがひどくなると穴が空いたりと大きなトラブルにつながる可能性があるので、定期的に靴クリームでメンテナンスをしていくのは非常に重要だと思います。

あかパンダ
あかパンダ

ドクターマーチンもメンテナンスは必要です。また、メンテナンスをした方が間違いなく楽しいです。

まとめ:靴クリームを使い分けてドクターマーチンをもっと楽しもう

今回は『ドクターマーチン』のおすすめの靴クリームについて検証をしながら解説しました。

結果的には、光沢感を優先すると面倒が増えますし、逆に楽な方法を取ると光沢感はそれなりになります。

ただ、どの方法でももとよりきれいになるのは間違いないのでどの方法であれやることが大切だと実感しました。

あかパンダ
あかパンダ

みなさんも『ドクターマーチン』への靴クリームでのメンテナンス、やってみてくださいね。

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