今回解説していくのはドクターマーチンのイングランドモデル(MIE)のメンテナンス方法についてです。
基本的なメンテナンスの方法こそ通常モデルと同じですが、使われている素材の良さを生かそうと思った場合にはちょっと異なるメンテナンスがおすすめです。


実際に筆者のドクターマーチン MIEをメンテナンスしながらその方法やポイントを解説していきます。
写真を使ってメンテナンス方法を解説するので、ぜひメンテナンスの参考にしてみてください。
ドクターマーチン イングランドモデルのメンテナンス方法を知りたい

ドクターマーチンのイングランドモデル(MIE)は、特別なケアが必要な高級ラインです。
7足のドクターマーチンを所有し、メンテナンスしまくりの筆者がMIEモデルを長く愛用するための正しいメンテナンス方法を詳しく解説します。

画像付きで参考にしやすいようにしています。ぜひ参考にしてください。
ドクターマーチン MIEとは?

ドクターマーチン MIEのメンテナンス方法についてお話しする前に、まずはイングランドのモデルのドクターマーチンがどんなものか紹介しておきたいと思います。
読者の中にはメンテナンス方法を見てからドクターマーチンMIEの購入を検討しようと思っている方もいるかもしれません。なのでまずはどんな部分が普通のドクターマーチンと異なるのかお話ししていきます。

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ドクターマーチンの故郷イギリスで作られたモデル

MIEは”Made In England”の略称で、ドクターマーチンの生まれ故郷であるイギリスで職人によって作られた特別なモデルです。通常のモデルに比べて価格は高め(同じモデルならMIEは1.5倍くらい高い)ですが、その分品質が格段に向上し履き心地も良くなっています。

ソールは通常モデルと共通ですが、アッパーの素材が異なるので柔らかい履き心地になっています。

見た目は普通だけど、素材は異なる

外見は一般的なドクターマーチンと似ていますが、革靴の聖地ノーザンプトンで職人の手によって製作されています。また、QUILONレザーを使用している点が最大の特徴です。

このレザーは茶芯(中に茶色の層)を持っており、経年変化による味わい深い風合いが楽しめます。
イングランドモデルの特徴を最大限活かしたメンテナンスを考える

QUILONレザーの魅力を引き出すには、カラークリームではなく無色のクリームを使用するのが最適です。
今回のメンテナンスでは、ドクターマーチン純正の「ワンダーバルサム」を使用します。この製品は茶芯の自然な経年変化を妨げず、革に栄養を与えることができます。
【実践】ドクターマーチン イングランドモデルのメンテナンス

ではこの記事の本題です。ドクターマーチン MIEのメンテナンスをしていきます。

ドクターマーチン MIEをお持ちの皆さんはぜひ手元にご準備くださいませ!まずは必要な道具から!
必要な道具について

- 革靴用のブラシ(毛足が長いものが理想)
- 汚れ落としローション(汚れ落とし・保革・ツヤ出しができる)
- ワンダーバルサム(ドクターマーチン純正靴クリーム)
- 布(着古したTシャツのハギレが最適)
今回使用するアイテムはこちらです。靴クリームとしてドクターマーチンの純正クリームである「ワンダーバルサム」を使いますが、無色(ニュートラル)の靴クリームでもOKです。

茶芯を生かすためにクリームで色を付けたくないだけなので、ワンダーバルサムをわざわざ買う必要はありません!
状態確認をしつつ靴紐を解く

まずは靴全体の状態を確認します。特につま先やかかとの傷みに注目しましょう。

こういう時じゃないとなかなか靴の状態をまじまじと確認することもないですからね!

また、メンテナンスしやすいように、靴紐は完全に解いて外しておきます。
ブラッシングとローションで汚れを落とす

- 馬毛ブラシで全体を丁寧にブラッシング(ホコリや砂を除去)
- ハギレに少量のローションを染み込ませ、円を描くように優しく汚れを落とす
- 特にシワの部分に汚れが溜まりやすいので重点的に

まずはこの流れに沿ってドクターマーチンを綺麗にします。

革靴用のブラシを使って埃などを落とします。靴クリームなどを塗る際に巻き込んでしまわないようにするためです。

次にレザー用のローションを使って汚れを落とします。今回使うのは汚れ落としと保革、ツヤ出しができるものです。汚れ落としの成分が強すぎると革にもよくないので、筆者はこれを使っています。

ハギレにローションを付けて円を描くようにして軽い力で拭き上げていきます。

MIE全体を拭いていきます。特にシワの部分は汚れが溜まっています。見落とさないようにしましょう。
ワンダーバルサムで栄養を入れる

- クリームを少量取り、靴全体に薄く伸ばす
- 10分程度置いて革に浸透させる
この流れに沿ってドクターマーチンに栄養を与えていきます。

ポイントは少量のクリームを取ること。足りなくなったらその度にクリームを追加してしていきます。

クリームは無色なのでイエローステッチについても大丈夫です。安心して塗ることができます。

片方を塗り終わったらもう片方も。同じように全体にクリームを塗っていきます。
クリームを塗り終わったら10分ほど置いてクリームを革全体に浸透させます。

この工程はワンダーバルサムではなく無色の靴クリームでもOKです。
布で磨き上げてメンテナンス終了

最後の工程はシンプルです。ハギレのきれいな面で円を描くように磨き上げます。力加減は優しく。ドクターマーチンMIE全体を磨きます。
これで無駄なクリームを落とし、ツヤのある美しい仕上がりになります。

クリームが過剰の残ったままだとカビなどの原因になることも。

これでメンテナンスは終了です。ドクターマーチン MIEが綺麗になり革に栄養が戻りました。もし、茶芯が出てきていたとしても、このメンテナンス方法であればその風合いをそのままにすることができます。

そうそう、メンテナンスが終わったら靴紐を戻すのもお忘れなく。

靴紐の通し方も色々あるので、この機会に変えてみてはいかがでしょうか。
なぜイングランドモデルにカラークリームを使わなかったか

なぜ今回革靴用のカラークリームを使わなかったかというと、QUILONレザーの最大の魅力である茶芯の経年変化を楽しむためです。
カラークリームを使用すると、革本来の色の変化が遮られてしまいます。逆に無色クリームであれば、革が自然に変化していく過程を存分に楽しむことができます。

もしも茶芯が出るのが嫌だという場合にはドクターマーチンの色に合わせたカラークリームを使うのがおすすめです。
まとめ:【解説】ドクターマーチン イングランドモデルのメンテナンス方法

ドクターマーチンMIEモデルは、正しいメンテナンスをすることで10年、20年と愛用できる革靴です。QUILONレザーの特性を理解し、無色クリームで定期的にケアすることで、世界に一つのオリジナルの風合いが育まれるはずです。

ぜひ実践してあなただけのドクターマーチン MIEに育ててみてくださいね。
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