『ドクターマーチン』のブランドアイデンティティのひとつが「イエローステッチ」です。
他のブランドのステッチは大抵目立たない色味であることが多いのに、なぜか『ドクターマーチン』のステッチには黄色が使われています。
考えてみたら、わざわざイエローにした理由ってなに??
今回はなぜ『ドクターマーチン』のステッチが黄色なのか解説!合わせてイエローステッチの汚れの落とし方や手入れの注意点についても紹介したいと思います。
ドクターマーチンのステッチって黄色いよね。でもなんで??
『ドクターマーチン』のステッチは多くが黄色です。ぜひドクターマーチン公式オンラインストアを覗いてみてくださいください。思っている七割り増しくらいでステッチが黄色いはずです。
1960年に初めて量産された1460 8ホールは既にイエローステッチを備えていました。
しかし、ほとんどの革靴のステッチは黒や白など目立たない色合いであることが多いです。『ドクターマーチン』以外のブランド、例えば「レッドウイング」や「ダナー」などを見てもステッチは目立たない色味になっています。
なんでドクターマーチンのステッチは黄色なの?ますますステッチを黄色にした意味がわからないよ!
ドクターマーチンがイエローステッチであるシンプルな理由
実は、『ドクターマーチン』のステッチが黄色い理由は公式HPにもしっかり書いてあるのです。
以下に『ドクターマーチン』のHPからステッチが黄色のワケの一文を引用します。
黄色のウェルトステッチ
戦後の1950年代は国を挙げての耐乏生活の時代でした。グリッグス家が1960年に初のドクターマーチンブーツを作ったとき、それがユニークなデザインの独特な製品であることは一目瞭然でした。さらに、より一層の差別化を図るため、グリッグスは黄色のウェルトステッチを採用し、製品に特有な要素を加えました。ウェルトをアッパーに縫い合わすために用いる糸はどんな色でも構わなかったわけですが、暗い色の革とウェルトには黄色がよく映えて魅力的なコントラストを生み出すという理由で黄色が選ばれたのです。(ドクターマーチン)
つまり、暗い革・ウェルトの色に最も映えるのが黄色のだったためイエローステッチが誕生しました。
め、めちゃくちゃシンプルな理由じゃないか!!
しかし、そもそもなぜ黒と黄色の組み合わせの相性が良いのでしょうか?その理由を知りたくないですか?
黒と黄色の組み合わせは「警告色」である
実は黒と黄色の組み合わせは「警告色」と呼ばれます。「警告色」を持つものとして一番身近なのは「ハチ」でしょう。そう、空をブンブン飛ぶ奴らです。
確かにあいつら黒と黄色だよなぁ。なんでなんやろ?
「警告色」とは本来有毒な動植物が持つ体色のことです。自然界でも見られる色の組み合わせで、敵に対してわざと目立ちやすい色にすることで「俺は毒があるぜ!近寄ると怪我するぜ?」とアピールしているわけです。
核か!?
これが転じて私たちの日常生活の中でも「警告色」はいろいろな場面で採用されています。例えば「危険の看板」であったり、「踏切」であったり「カラーコーン」などにも黒と黄色の組み合わせはよく使われています。
なるほど。自然界にもあるし私たちの日常でもよく目にする色の組み合わせなのか。
ハハハ、ウケる。
ブラックとイエローの組み合わせを科学的な目線で見ると
実はブラックとイエローの組み合わせというのは警告色の中でも特に特別な意味を持ちます。
黒というのは有彩色の中で最も暗い色です。一方で黄色は最も明るい色です。つまりは最も強いコントラストを持つ色の組み合わせであるのです。
なるほど、だから危険の看板もブラック×イエローなのね。
これは推測ですが『ドクターマーチン』を作る時に本能的に黄色のステッチを使うのが最もインパクトが大きいとわかっていたんでしょうね。『ドクターマーチン』は唯一無二の存在感を持つ靴ブランドですが、私たちにそう感じさせるワケのひとつはこの“イエローステッチ”にあるのかもしれません。
イエローステッチが汚れた時の対処方法について
ブラックとイエローの組み合わせがすごい組み合わせだということを知ってもらえたと思うので、次にイエローステッチが汚れた時の対象方法についても解説しておきます。
イエローステッチが汚れているのもそれはそれで味だと思います。でも綺麗にしたい人もいると思うのでぜひ参考にしてみてください。
とっても簡単な方法なのでぜひお試しを!
イエローステッチはリムーバーで汚れを落とす
イエローステッチの汚れはレザーの汚れと一緒で、汚れ落とし用レザーローションや革靴専用のリムーバーを使うことで落とすことができます。
上の写真で使っているのは洗浄力の弱い汚れ落としのローションですが、より洗浄力の強いリムーバーを使えば頑固な汚れも落とすことができます。
方法もとてもシンプル。布にとってステッチを軽く擦ります。これだけで綺麗にすることができます。
ただし注意点も!アッパーを磨いた汚れた布で拭くとむしろ汚れがついてしまうことがあります。ステッチを拭くときには布の綺麗な面で拭きましょう。
筆者は何度もやらかしたことがあるそうだよ。マーチン好きあるあるだね。
なかなか汚れが取れない時には綿棒がおすすめ
イエローステッチの汚れがなかなか汚れが取れない。そんなときには綿棒を使いましょう。
布と同じくローションか汚れ落としをつけて綿棒でステッチを磨きます。布のように間違えて汚れがつくこともなければ細かく磨くことができるのでおすすめです。
イエローステッチが汚れないようにするには
『ドクターマーチン』を綺麗に履きたいなら、イエローステッチが汚れないようにするのが一番。そのためにはあまり汚れたところに履いていかないこと。雨や雪の時にはあまり履かないなども意識するだけでも違うと思います。
ただし、靴というものはどうしても地面との距離が近いので多かれ少なかれ汚れるものです。イエローステッチが汚れるのを過度に気にするとどこにも出掛けられなくなってしまうので、神経質にならずに履いて汚れたら磨くくらいがちょうどいいと思います。
筆者は結構しばき倒してますがステッチも意外と汚れません。ワークブーツとして作られているので、多少の汚れや傷は誉です!
イエローステッチの注意点について
最後になりますが、イエローステッチの注意点です。主には汚れが付かないようにするための工夫を紹介します。
イエローステッチが自然に汚れるのと汚してしまうのは違うと思うので、極力イエローステッチを汚さないためにも注意点を参考にしてみてください。
カラー付き靴クリームがステッチに付かないように注意
靴の艶を出そうと思った時、靴用のクリームは必須アイテムです。色付きのクリームはより深い艶を出してくれますが、『ドクターマーチン』の場合にはクリームがステッチにつかないように注意しましょう。
中にはステッチにマスキングテープを貼ってからメンテナンスする人もいるようです。
わざわざマスキングテープを使うことはしなくとも、少量のクリームをペネトレイトブラシで伸ばすという靴磨きの基本に立ち返ったメンテナンスをすればステッチに汚れがつくことはないはずです。
ドクターマーチンの純正クリームは優秀
『ドクターマーチン』には純正の靴クリームがあります。イエローステッチを保護するという意味ではこのクリームは非常に優秀だと思います。
上の記事でいろいろな靴クリームと比較しているのですが、正直色付きのクリームの方が仕上がりはいいです。もちろん人の好みにはよると思いますが。
しかし、このクリーム特筆すべきは色が無色なのです。正確には若干クリームがかっていますが、伸びが良くこれなら間違ってイエローステッチに付いても色がつくことはありません。
メンテナンス初心者なら純正クリームは非常にアリだと思います!
防水スプレーをかけると汚れがつくのを防げる
最後に、『ドクターマーチン』に防水スプレーをかけておくことでステッチが汚れるのを防ぐことができます。
もともと雨や雪に『ドクターマーチン』は強いんですが、防水スプレーをかけるともっと強くなりますしステッチも汚れにくくなります。
心配な人は防水スプレーを使っておくといいと思います!気をつけていても突然雨が降ることだってあり得ます!
まとめ:ドクターマーチンはなぜイエローステッチなのか?汚れの落とし方も解説
いかがでしょう?『ドクターマーチン』のイエローステッチの謎は解けたでしょうか?
『ドクターマーチン』のステッチが黄色のワケは一番コントラストが魅力的だったから。感覚的な話に聞こえますが、科学的にも最もコントラストに差がある色の組み合わせなので理にかなった配色なのです。
合わせてイエローステッチを綺麗にする方法や注意点も解説しました。少しでも綺麗に履きたいという方は参考にしてメンテナンスをしていただければと思います。
やっぱりドクターマーチンは面白い革靴だね!はっきりわかんだね!
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